日経新春杯と言えばどうしてもテンポイントを思いだしてしまう。尾花栗毛の美しい馬だった。トウショウボーイとの名勝負は今でもはっきりと思い出す。

時を戻そう。人気馬は4歳馬が占める。この10年での4歳馬はほぼ毎年出走しているが、9年で6勝の高い勝率だ。それはハンデ戦で少しは軽いのもあるだろうし、若くてまだまだ勢いがあるからだろうと結論づけられる。

菊花賞出走馬が5頭、最先着の5着馬サヴォーナ。6着のハーツコンチェルトはダービー3着馬、10着のサトノグランツは2冠こそ二桁着順も京都新聞杯、神戸新聞杯勝ち。トップハンデの57・5キロだ。菊花賞4着のリビアングラスは新人賞受賞の田口J。3冠皆勤にJC出走のショウナンバシットも居る。

これに牝馬のシンリョクカと多彩だ。ただ晩秋に重賞勝ちとか勢いのある馬は居ない。56キロのサヴォーナに注目。GⅠ初挑戦の菊花賞で見せた長く脚を使えるのがいい。

【京都金杯の回顧】

24年1月6日(土)京都11R 京都金杯(G3) 芝1600m)
  • コレペティトール
  • (牡4、栗東・中竹厩舎)
  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ベガスナイト
  • 母父:Coronado’s Quest
  • 通算成績:10戦5勝


初ブリンカーのドルチェモアが外から前へ出る。最初はそうでもなかったが3F過ぎから後ろを離し気味、5馬身後ろがセッション、さらに4馬身にトゥードジボンの流れ。

さすがに1000Mを56・7と飛ばしたドルチェモアは後300で脚があがる。セッションが伸びトゥードジボンも前へと迫るなか、4,5列めの内を進んでいたコレペティトールの伸びが良く、ゴール前でも内を掬うと縫う様な進路のとり方で重賞初制覇となった。岩田康誠の切れのいい騎乗ぶりであった。

1着も2着も明け4歳馬。コレペティトールは4戦目の2月、共同通信杯が重賞初挑戦。夏の福島のラジオNIKKEI賞で5着。その後に2勝クラスを夏の札幌で卒業。暮の阪神で岩田康誠Jとの初コンビで3勝クラスを卒業しての今回となった。開幕週の京都でイン有利、内で脚を貯め直線も経済コースでの突き抜けとなった。

そしてレースのラップを観ていて驚いたのがゴール前の2Fだ。最後の1F12・3でも遅い方なのに、その前の1Fが13・0とおそらく逃げたドルチェモアがいよいよ脚があがって2、3番手がとりついた時の数字なのだろうが、このラップはそうあるものでない。過去10年、いや、JRAの成績が観れる2000年からのデータでも押しなべて11秒台。12秒台でも皆無なのにこの数字はこのレースの特殊性が判ると言うもの。良馬場発表だが馬場コンディションは悪いと言える。

悔しいのは自分だ。昨年最後の原稿で京都金杯の展望で穴ならコレペティトールと書いた。それを馬券で生かせなかった己が阿保らしい。PVを眺めては溜息をついている様では情けない。勝ったのもレースを造ったのも若き4歳馬である。新旧交代はいつの時代でも必要である。若さがベテランの胸を借りて思いっきり戦う。この構図こそが大事だろう。懐こそ寂しくなったが結果は喜ばしいもの。今年も競馬が始まった!