2度目のG1挑戦で華開くか。昨年の有馬記念週は前日、準オープンのメインレースを走っていたパフォーマプロミス。6歳秋で通算16戦目のキャリアからも窺えるように、大事に、大事に使われてきたが、陣営に伺えば、ここまでの道のりは決して並大抵ではなかったという。前走、アルゼンチン共和国杯を制し、重賞初制覇と勢いに乗るステイゴールド産駒は今夏の宝塚記念以来となるG1挑戦で一矢報いることができるのか。

京都大賞典回避の英断を経て重賞初勝利

-:有馬記念(G1)に挑むパフォーマプロミス(牡6、栗東・藤原英厩舎)ですが、前回のアルゼンチン共和国杯は見事な勝利でした。おめでとうございました。感冒で京都大賞典は取り消して、休み明けの一戦でした。

瀬戸敬文厩務員:ありがとうございます。熱発でやめざるを得なくなりましたね。あの時は月曜競馬だったので、次の日に熱は下がったので、競馬を使おうと思ったらギリギリ使える範囲にあったんですけど、調教師は「止めておこう」という判断だったんですよね。

-:それは、良い判断だったんですね。

瀬:判断が早かったと思います。それで、治療してもらったらスッと落ち着いて、馬もすぐに良くなって、あの判断はすごく良かったと思いますね。

-:さすがですね。昔から熱発明けは走るという。

瀬:(2015年12月20日、中京芝2000mの)2戦目も熱発しているんですよ。(クリストフ)ルメールを押さえていたのですが、熱発して競馬が延びたんですよね。当時は今回ほどの熱ではなかったですが、デビューするのもなかなか時間が掛かって、やっとシッカリしてきたかなと思ったところで熱発だったので、やっぱり色々ある馬だなと思いますね。

パフォーマプロミス

▲アルゼンチン共和国杯での重賞初勝利まで
苦労の日々だったと語るパフォーマプロミスを担当する瀬戸厩務員

-:3歳の9月までデビューが遅れた馬が、ようやくG1の宝塚記念まで辿り着いたわけですね。

瀬:いや~…ここまで来るとはね。

-:宝塚記念は初めてのG1挑戦で、4番人気に推されたけども9着ということでした。先生の終わった後のコメントが「斤量が…」ということでしたね。

瀬:調教師はそんな感じでは言っていましたね。本当に小柄な馬なので、確かにそんな斤量を背負って走ったことがなかったので。

-:ただ、9着と言っても、コンマ5秒差なので。

瀬:外からジワジワは来ていたんですけどね。しかし、そんなに伸びているかと言ったら…。道中が付いていけなかったですからね。何か雰囲気に飲まれているみたいな感じで。

-:時計も速かったですからね。

瀬:ゲートをポンと出たのに、普通だったらスッと付いて行ける馬なのに、ずっと騎手が追っ付け追っ付けで、やっとこさ、みたいな感じでしたので。確かにあのまま回って来ても、直線はしんどかったんでしょうね。

パフォーマプロミス

▲6歳でG1初挑戦となった宝塚記念

-:やっぱり初めての強豪にちょっと委縮したのでしょうか。

瀬:僕の勝手な解釈ですけど、何かそんな感じには見えましたね。

-:その後、夏休みに入って、先程伺った京都大賞典前と。夏を越えて良くなったというところはありましたか。

瀬:確かに悪くはなかったんですけど、どこか、いつもよりちょっと大人しかったんですよ。

-:それが風邪の前兆だったのですか。

瀬:そうだったのかもしれないですけど、そこまで…。

-:毛艶もそんなに良くなかったですよね。

瀬:もともと、そんなに見た目が…。今思えば、の話ですけどね。

-:結局、回避してちょっと間隔を空けられたのが良かったのですかね。

瀬:後々考えたら、良かった感じはしますね。分からないですけどね。もし使っていたら、もっと良い勝負になっていたのかもしれないですけど、とは今は思っているんですけどね。

「返し馬が終わってゲートに行くまで、しゃべらなかったんですけど、ゲートに行って『WIN!WIN!OK』みたいな感じで(オドノヒュー騎手は)いっていましたよ。返し馬の感じが良かったのでしょうね。本当にその通りに乗ってくれて」


-:アルゼンチン共和国杯を勝った時のレースを観て、感じられた部分はありますか。

瀬:これ以上ない、あの馬のベストレースでしたね。これ以上は走れないんじゃないかなという切れ味を見せましたからね。どちらかと言ったら、そんな速い上がりで上がれる馬じゃなくて、上がりが32秒台(32秒6)だったので。

-:府中は全体的に時計が出る馬場でしたからね。

瀬:そうですね。でも、どちらかと言うと、高速馬場は合わないと思っていたんですけどね。昔、東京の1800mを使ったことがあるんですけど、後ろから行って届かなくて。脚は使っているんですけど、やっぱり切れ負けした感じのレースでした。去年の1月に(福永)祐一さんが乗って、ひと押し足りない競馬でしたしね。やっぱり切れ味勝負になると、ちょっとしんどいのかなと思ったんですけど、今回はそんな競馬じゃなかったので。

-:しかも、上がりも出走馬中、2番目に速い時計でしたからね。

瀬:(オドノヒュー騎手が)「抜けてからも、まだちょっと遊んでいるくらいだった」みたいなことを言っていたので。返し馬が終わってゲートに行くまで、しゃべらなかったんですけど、ゲートに行って「WIN!WIN!OK」みたいな感じでいっていましたよ。返し馬の感じが良かったのでしょうね。本当にその通りに乗ってくれて。

-:ゲートの後ろで輪乗りをしている時から、勝つぞと盛り上がっていたわけですね。上がってきてからの雰囲気はどうでしたか。

瀬:もう大喜びでしたね。最初会った時、静かな人だなと思ったんですけど、そこからワァーみたいな感じで、ハハハ。

パフォーマプロミス

紆余曲折を乗り越えたどり着いた2度目の大舞台
パフォーマプロミス陣営インタビュー(2P)はコチラ⇒