京成杯AHで怪我から復帰後、重賞初制覇!
2010/9/17(金)
津村明秀騎手
高:ケガが回復してきてから、一番「戻れて良かったな」と思った瞬間っていつですか?
津:やっぱり馬に乗って走っているときですよ。最高でした。
高:馬に乗る怖さはありませんでしたか?
津:いや、僕はあまり落馬して怖くなるっていうことは、あんまり無いですね。
高:今回もですか?かつてない大ケガをされても。
津:無いです。大丈夫でした。意外と乗れちゃいますね。「馬は良いなあ」って思いました。
高:レースには7月3日から復帰されましたね。7月4日の日曜日には重賞(ラジオNIKKEI賞・セイリオス=10着)にも騎乗されて。
津:そうですね。いきなり土日でメインに騎乗させてもらいましたからね。まあ、復帰一週目はそれほど数を乗らないようにしようと思っていました。やっぱり初っ端は疲れましたよ。息が…。競馬はどんなにトレーニングをしていても、久々に乗るとキツいです。やっぱり何か違うんですよね。一回乗っちゃうと大分違いますけど、一回目は相当キツかったです。
高:調教のときとは何かが違うんでしょうね。
津:そうですね。スピードも違いますし。
高:なるほど。復帰2週目にはメイショウラグーナで勝ちましたね。
津:勝てると思っていませんでしたから「あ、勝っちゃったよ」みたいな感じで。
高:そうだったんですか(笑)。そこから、また勝ち星を積み重ねて、重賞まで勝って。良い流れですよね。せっかくなのでお聞きしたいんですけど、津村騎手がジョッキーを目指すキッカケを教えていただけますか?
津:キッカケは、父親が競馬が好きでよく競馬場へ連れて行ってもらっていて、結構見るようになって「カッコ良いな」と思うようになっていたんですけど、最終的にはナリタブライアンが勝った有馬記念を見て、凄く感動したんです。馬も凄かったし、ジョッキーもメッチャカッコ良く見えましたよ。またあのときはファンも凄かったじゃないですか。本当にシビれましたね。
高:津村騎手はご出身が船橋ですから、近くの競馬場といえば船橋競馬場か中山競馬場になりますよね。
津:中山競馬場ばっかり行っていましたね。小学校4年のときにナリタブライアンの有馬記念を見て、ジョッキーになるにはどうしたらいいかっていうことで、小学校5年から乗馬に通い始めたんです。
高:卒業文集にも「将来はジョッキーになりたい」みたいなことを書いたんですか?
津:そうですね。
高:周りにも「ジョッキーになりたい」と思っている人はいましたか?
津:いましたよ。船橋競馬場が近かったから、同じ学校に船橋競馬場の関係者の子供がいたんですよ。船橋の石崎駿騎手は2学年上ですけど同じ学校でしたよ。
高:そうなんですか。でも小学校4年生のときに「ジョッキーになりたい」と思って、それが実現されるなんて良いですよね。
津:本当、恵まれていますよね。
高:私は卒業文集で「バレリーナになる」って書きましたよ。津村騎手のご家族は、ジョッキーを目指すことを応援してくれました?
津:はい。全然反対されませんでした。
高:実際にジョッキーになるため競馬学校に入ったあと、辛かったことはありますか?
津:競馬学校で辛かったのは制限だけですね。外出とかお菓子とか。その他の生活はそれほど苦にはならなかったし、家に帰りたいとも思いませんでした。中にはホームシックになって辞めていった人もいましたけど。
高:ホームシックに。
津:入学して一ヶ月くらいでなっている人がいましたよ。
高:まだ15歳くらいだと寂しくなっちゃう人もいるんでしょうね。そうですか、制限が大変だったんですね。ところで津村騎手は身長が高いですけど、何cmあるんですか?JRAのホームページには168cmとなっていますけど…。
津:僕、170cmありますよ。昨日身体測定をしたんですけど、170.3でした。
高:体重は普段何キロぐらいなんですか?
津:普段は52、3キロありますよ。特に気にしないで好きなものを食べています。競馬のときは51キロくらいだから、木曜日くらいから徐々に食事を減らしたり、トレーニングしたりして調整しています。
高:あまり同じような体型の方が少ないのかな、と思いますけど、どなたか騎乗フォームを参考にしている方はいらっしゃいますか?
津:やっぱり身長が高いユタカさん(武豊騎手)の乗り方は参考になりますね。ただ、参考にしますけど、そのままマネするというわけではないです。
高:レースに乗るときに気を付けている点はありますか?
津:そうですね、馬によってアブミの長さや乗り方は変えますよね。馬の体型によっても変わりますし。僕、レースだけじゃなく、馬に乗っているときには「カッコ良く見せよう」と、常日頃思っているんです。やっぱり馬に乗っている姿を見て「綺麗だな」とか「カッコ良いな」って思われた方が良いじゃないですか。
高:その理想に対して、最近のご自身の乗り方はどうですか?
津:いや、まだまだです。
高:意識的に変えているところはありますか?
津:自分が乗ったレースをビデオで観たり、若駒寮にある木馬に乗ってフォームのチェックをしたりしながら、細かいところはチョコチョコといろいろやったりするんですけど…、まだ乗り方は「こうだ」と固まってはいないですね。まあ、乗り方が固まるということは無いんでしょうけどね。
高:常に最善の乗り方を追求して。
津:そうですね。上のジョッキーの人たちもそう考えていると思います。
高:好きなタイプの馬はいますか?
津:そうですね…、僕はどっちかと言うと、内田博幸さんみたいな「剛腕タイプ」ではないので、動かす馬よりはなだめながら乗る馬の方が得意ですね。だから、牝馬で繊細な馬は結構好きですよ。注意しながら乗るような。
高:折り合いが上手く付けば切れる脚が使える、みたいな。
津:そういう馬は好きですよ。
高:なるほど。好きな競馬場なんてありますか?
津:うーん…、函館ですね。函館は僕、好きですよ。
高:函館競馬場のどういうところが好きなんですか?
津:調整ルームがキレイ。
高:あ、そこですか?快適な生活環境が(笑)。
津:いや(笑)、気候も良いし、芝も良いし、普段一緒に乗ることが少ない関西の騎手と一緒なんで、競馬も面白いんですよね。
高:なるほど。ではレース以外のときに、仕事で気を付けている点はありますか?
津:人とは明るく接しようと、それは常日頃心がけています。挨拶もみんなにちゃんとするように。暗く挨拶するより明るく挨拶した方が良いですしね。
高:その方が良いですよね。(津村騎手の過去成績資料を見ながら)順調に勝ち星を積み重ねているように思いますけど、目標にしている数字はありますか?
津:成績はまだまだですよ。だって同期はもっと勝ってますもん。負けてられないですよ、まだまだ。だから、数字は具体的には考えません。「もっと勝ちたい」というだけですね。
高:今、ご自身が課題と考えている点はどんなところですか?
津:課題ですか…。やっぱり、勝つこと。勝ちにこだわることですね。
高:勝ちに。
津:今までも勝ちにこだわっていましたけど、復帰してから接戦で勝つことが多くなりましたね。クリールパッション以外はみんなハナ・クビ・アタマとか、半馬身以内の差ですよ。
高:そこに何か復帰前と違いが。
津:…あるのかな?
高:「勝ちたい気持ちが強い方が勝つ」ということを聞いたこともありますけど、津村さんはそういうのを信じますか?
津:気持ちはやっぱり大事じゃないですか?入り込み過ぎてもどうかとは思いますけど。1着と2着の差は本当に大きいですからね。ファイアーフロートもハナ差で負けていたら「おめでとう」ともみんなに言われない訳ですし、周りの反応が全然違いますしね。本当、勝つってことは違いますから、勝ちにこだわりたいな、と。2着もビリも一緒だって言いますしね。
高:5回2着になるなら、4回ビリでも1回勝ちたい、みたいな。
津:本当にそうです。だからやっぱり勝ちにこだわることですね、今の課題は。
高:周りの人から「ガツガツしていないな」って言われたことはありますか?
津:ああ、それはあります。「ギラギラ感が無い」とか「ハングリー精神が足りない」とかもたまに言われます。
高:それに対して自覚はあるんですか?
津:あります。若干そういう気持ちが足りなかったんじゃないかな、と思いますよ。でも今は休む前よりは違うと思います。復帰してからあまり言われませんしね。
高:それだけ結果を残しているっていうことじゃないですか。今週も活躍を期待しています。ちなみに今週末は3日間連続開催ですけど、津村騎手の騎乗予定はどんな感じですか?
津:中山、中山、札幌です。
高:ハードな日程ですね。
津:でももっとハードな人もいますよ。札幌、中山、札幌とか。内田さんは中山、阪神、札幌って言っていましたよ。
高:3場制覇(笑)!
津:3場制覇(笑)。僕も負けないように頑張ります。
高:応援しています。今日はありがとうございました。
津:ありがとうございました。
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |