丸田恭介騎手×高橋摩衣
もしアニメイトバイオが人間の女の子だったら『結婚して』って言っちゃうかもしれない(笑)。それくらい太いというか良い性格をしています…。
2009/11/13(金)
丸田恭介騎手×高橋摩衣
‐:今日は京王杯2歳ステークスでアニメイトバイオに騎乗する丸田恭介騎手にお話を伺います。よろしくお願いします。
高:よろしくお願いします。土曜日はいよいよ京王杯ですね。
丸:はい、凄く楽しみですよ(笑)!
高:おー、いつにも増して笑顔ですね(笑)。デビュー戦から乗り続けたパートナーと重賞に挑戦出来るんですから、それは楽しみですよね。
丸:はい。僕なんかにずっと任せていただいて。申し訳ないくらいですよ。本当に有難いですね。
高:デビュー戦から乗り続けて来て、何か変わってきたところはありますか?
丸:良くなって来たところはいろいろありますけど、一番いいところは、牝馬なのにレースを使ったあと、カリカリして来ないことですね。その変化が無いところが良いです。
高:女の子っぽくないんですね。
丸:全部が全部女の子っぽくないっていう訳ではないですけど、その神経の太さっていうんですか、落ち着いた感じは女の子っぽくないですね。発走前にゲート裏で待っている時も堂々とした感じで。僕なんかマラソン大会のスタート前にドキドキしちゃうタイプなんで、本当に凄いと思いますよ(笑)。
高:アハハ、ドキドキしちゃうんですか(笑)。他にアニメイトバイオの良いと思うところはありますか?
丸:うーん、そうですね…、体の柔らかさですかね。それがレースでどう役立っているかっていうのはまだ上手く説明出来ませんけど、僕が稽古で乗っているアブソリュート(丸田騎手が所属する宗像厩舎の管理馬)も体が柔らかいですし、走る馬の素質の一つなんじゃないかと思います。体が柔らかければそれだけ体の可動域も広がるでしょうし。
高:あー、確かに体は柔らかいに越したことは無さそうですね。どういった時に体の柔らかさを感じるんですか?
丸:一瞬凄い動きをするんですよ。例えば、馬場の真ん中ちかくを歩いている時に、何かの拍子で驚いて、ワッとなって軽く脚をラチに当てたり。改めて見てみると「こんなところまで脚が届くのか?」っていうくらいラチまで距離が離れてますから。
高:そんなに。かなり体をひねったり、ねじったり出来るんですね。レースで走っている時はどんな感じなんですか?
丸:特に手の掛かる点は無いですね。デビュー戦の頃は物見をしたりしていましたけど、使ううちに問題なくなってきましたし。ただ、まだ全能力を出し切ったっていうレースは無いんですよね。
高:え、そうなんですか?
丸:物見をしたり、前が詰まったりしていて、完璧にスムーズにレースが出来たって思えるレースはまだ無いんですよ。それでこれだけの成績を残してきている訳ですから、力があるという事だと思います。
高:前走のサフラン賞ではレコード勝ちをしていますもんね。
丸:そうですね。強い馬です。
高:今日(11/11)の調教に騎乗されましたけど、いかがでしたか?
丸:良かったと思います。牧先生の指示通りの調教が出来たと思いますし。もう…、とりあえずホッとしています(笑)。
高:またいい笑顔ですね(笑)。
丸:いや、本当に緊張していたんですよ。昨日の夜も何度か目が覚めて(笑)…。
高:完全にプレッシャーを感じているじゃないですか(笑)。
丸:僕、調教の方がイヤな緊張をするんですよね。レースの時は大丈夫なんですけど。
高:逆の方がイヤですよね。レースの時にヘンに緊張して力が出せない方が。丸田騎手が順調に成績をあげてきているのは、そうやってレースの時ヘンに緊張しないっていうのもあるんじゃないですか?
丸:いえ、そんなとんでもないですよ。僕が乗せていただいている馬の質を考えると、もっと勝っていなきゃいけないですから。
高:あ、そういう気持ちなんですね。まだまだ物足りないという感じで。
丸:物足りないというか、自分の技術の甘さを痛感しています。自分の頭の中にある理想の乗り方と、現実の乗り方の差もありますし…。まあ、でも僕の場合、考え過ぎると良くないんですよね。分かってはいるんですけど…。
高:丸田騎手は何というか…割りといつも悩んでいる感じがしますね。
丸:そんなに卑屈になっている訳じゃないですよ(笑)。
高:いやいや、向上心があるという事で(笑)。
丸:いや普通ですよ。本当、僕はいろいろと考えながら工夫して乗らないとやっていけないですからね。トップクラスのジョッキーはもちろん、センスの良い若手も多いし、その中で僕が騎手としてやっていくにはやらなきゃいけない事は山ほどありますよ。
高:その一環でホットヨガに通ったり。
丸:まあそうですね。そうやって重心のバランスを整えたり、呼吸法を学んで体のケアをして。結構長い事やるようになって来て、だんだんどうやれば効果的か、というのを掴めて来たと思います。
高:続けて来た甲斐がありますね。
丸:やっぱりそういうのを感じられるのは嬉しいですね。騎乗技術も、僕なりに上がって来ているんじゃないかと感じられるところもありますから。…とは言っても、その僕が正しいと思っている事が本当に正しいかどうかは分からないんですけどね。この世界、これが正解というものは無いので。
高:正解かどうかは分からないけれど。
丸:そうです。正しいんじゃないかな、と自分が思う事をとりあえずやってみて。違っているようだったらまた変えて。
高:試行錯誤ですね。ちなみに重賞に騎乗するっていう事で、何か他のレースとは違った感じはありませんか?
丸:レースが厳しい、という事はあるかもしれませんけど、馬の邪魔にならないようにするとか、自分がやらなきゃいけない事は、他のレースとは変わりはありませんからね。特に違う感じというのは…、あ、あの重賞のファンファーレ。あれは良いですね。あれを聞くと「僕はこの為にジョッキーになったんじゃないかな」っていう気がします。
高:何か根源に関わる話になってきましたね(笑)。
丸:そう重たい話ではないんですけど(笑)。やっぱりカッコいいじゃないですか、ファンファーレが鳴ってお客さんの注目を集めて。「ジョッキーになりたい」と思う理由で一番多いんじゃないですか、カッコいいって。やっぱりG1や重賞の大歓声の中でレースを勝つ姿に憧れてジョッキーになった、というのもありますから、ファンファーレを聞くと気持ちが盛り上がります。
高:夢というか目標の舞台なんですもんね。
丸:はい。でもだからと言って、意識するとロクな事がないと思うので平常心で(笑)。
高:なるほど(笑)。ではレースに向けての抱負をお願いします。
丸:いや、もう馬の邪魔をしないように。スムーズなレースを心がけたいですね。
高:分かりました。最後にアニメイトバイオの好きなところを教えてもらえますか?
丸:それはもう、落ち着いた性格です。もしアニメイトバイオが人間の女の子だったら「結婚して」って言っちゃうかもしれない(笑)。それくらい太いというか良い性格をしています。
高:そうですか(笑)。ではその理想のパートナーと共に良い結果が出るよう応援しています。今日はありがとうございました。
丸:ありがとうございました。
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デビュー年は3勝にとどまったが、2年目の2008年は31勝をあげ、飛躍的に勝ち星を伸ばした。3年目の今年も11月の時点で41勝をあげ、昨年を超える成績を残している。京王杯2歳ステークスでは、デビュー戦から手綱を取るアニメイトバイオに騎乗し、自身初となる重賞制覇を目指す。 |
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■出演番組
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |