北村宏司騎手×増沢末夫氏スペシャル対談
2009/12/3(木)
5月に発売された雑誌競馬ラボで、引退後初めてメディアに姿を現した増沢末夫氏。 アサデンコウ・ダイナガリバーで制した日本ダービー、そしてハイセイコーとの思い出を語っていただきましたが、 オールドファンからの熱いリクエストにお応えし、北村宏司騎手とのスペシャル対談がついに実現。 両人の心温まる必見エピソードをご覧ください。
‐:増沢先生、北村宏騎手、お忙しい中ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。
増沢:よろしく。
北村:よろしくお願いします。今回のお話をいただいてから、とても楽しみにしていたんです。
‐:ありがとうございます。お二人でこのような企画で対談をされた事は今までにありますか?
増:無いですね、初めてですよ。なあ?
北:初めてですね。先生が調教師をされていた時には、ほぼ毎日顔を合わせていましたけど。対談はした事ないです。
‐:ちなみにお二人が最初にお会いされたのはいつ頃ですか?北村騎手のデビュー前からでしょうか?
増:いや、もう騎手としてレースに乗るようになってからですよ。
北:僕が騎手になって1年目の途中くらいで声をかけていただいて、それからですね。僕、競馬場に知り合いがいたわけでもないですし、先生とも接点は無かったんです。声をかけていただいて、調教やレースで乗せてもらい始めてからお世話になっています。
‐:そうですか。今回、データを調べまして、増沢厩舎の騎手別の騎乗成績をまとめましたのでご覧ください。
北:はい。(資料を見ながら)うわあっ!
増:どうしたの?
‐:増沢厩舎で一番勝ち星をあげたのが、40勝の北村騎手なんです。
増:ああ、そう。でもまあ、そうだろうな。ほとんどの馬に乗せたからね。
北:たくさん乗せていただきましたからね。2番目に勝ち星の多い中舘さんの2倍乗っていたんだ…。あれだけ乗せていただいて2着も36回ありますからね、もうちょっと勝てよっていう話ですよね(笑)。でも40も勝たせていただいているなんて、凄いですよ。
増:まあ、ダイワの大城さんの馬にたくさん乗っていたからな。
北:本当にたくさん乗せていただきましたね。
‐:先生の厩舎にはダイワさんの所有馬がたくさんいましたけど、オーナーの大城さんとのお付き合いはいつ頃からになるんですか?
増:僕が乗り役をやっている頃から乗せてもらっていてね。割りと成績もあげていたんだよ。
‐:そのお付き合いが調教師になっても続いたんですね。現在も、北村騎手はダイワさんの馬によく騎乗されていますよね。
北:たくさんチャンスをいただいています。これも増沢先生に乗せていただいたおかげですよ。僕、デビューした時には大城さんと面識がありませんでしたからね。増沢先生のところで初めて乗せていただいて、ダイワカーソンという馬で勝たせてもらったんですよ。
増:そうだったな。
北:それからデビュー2年目の2000年に二ノ宮厩舎のダイワカーリアン、上原厩舎のダイワルージュ、先生のところのダイワテキサスで、1年で4つも重賞を勝たせていただいたんです。その頃から、いろんな調教師さんから声をかけていただけるようになって。
増:ああ、そう。
北:名前を覚えてもらえる機会をいただきましたね。いろんな厩舎の方から見てもらえるようになりましたから、本当に感謝しています。やっぱりジョッキーはたくさん勝つのも、大きなタイトルを勝って名前を売るのも大事だと思いますからね。本当に感謝しています。
‐:飛躍のきっかけになったんですね。
増:宏司は今、何勝しているんだ?
北:今日勝って647勝です。
増:まだ30前でそれだけ勝っているんだろう?僕は32歳で300勝だったから、宏司はすでに倍勝っているんだな。
北:でも、そこは数字を単純に比べられないですよ。馬の頭数も違うし、一頭の馬に乗るのに、今とは比べものにならないくらい大変だったと思いますよ。
‐:北村騎手は現在29歳ですけども、先生が29歳の頃はいかがでした?
増:29の頃は…、大した事無かったな(笑)。さっき話した300勝をあげた32歳の時に初めて重賞を勝ったんだから。
‐:その初重賞がアサデンコウのダービーだったんですよね。
北:初めて勝った重賞がダービー!カッコいいですねー(笑)。
増:ワハハ(笑)。だから、宏司もこれからだよ。
北:励まされた感じがしますね(笑)。
増:僕はずっとリーディングのベスト4くらいには入っていたんだけど、なかなかリーディングを取れなかったんだ。40歳になってからだからね、リーディングになったのは。まあ、それから8回取ったんだけど。
北:40歳から8回リーディングって凄いですね(笑)。普通は40歳から8年騎手をやるのも大変なのに。先生は何歳まで乗っていたんですか?
増:52歳。53で辞めたの。52歳の時だって88勝して辞めたんだから。
北:最後の年に88勝もしたら、まだまだやりたくなっちゃいますよね。
‐:周りの方からも「まだ早いんじゃないか」みたいな事を言われたんじゃないですか?
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