長~い脚を使ってウォーターミリオンが快勝!!

ウォーターミリオン

15年10/4(日)4回阪神9日目5R 2歳新馬(芝1400m)

ウォーターミリオン
(牡2、栗東・田所厩舎)
父:ハーツクライ
母:セーフアズロック
母父:Rock of Gibraltar

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バラバラと出たゲート。そしてユックリと進むレース。その淀んだ流れに喝を入れるべく、幸四郎Jが3角手前からのロングスパート。立木を交す様に外を一気に進出、4角を廻る時には先頭に躍り出て直線へ入ってくる。そこから後続を封じ込める11.8~11.8の脚で逃げ込んでしまった。2着にも、団子の追い比べを外からこれもいい脚を使ってファンタサイズが伸びて波乱の結末。見所のある新馬戦でもあった…。


映像でのパドック周回だけに、手にとる様には判らない。それでもファンタサイズには◎をつけれる馬の雰囲気だった。買わない時は良く当たる。
スタートは出遅れたのではなく、ダッシュのつかない馬が多かった様だ。大外の1番人気のタイセイアモーレはダッシュがつかないうえに、鞍上が押して押してもあまり前向きな気性でない様にも見受けた。前は最初は5頭ぐらいが、一団で1ハロンを通過。ワオが先頭で、トウカイメジャーが半馬身差で並んで2ハロンを過ぎる。ここらでペースはグーンと落ち着く。この時、ブービーにいたウォーターミリオンが前の馬に挟まったのか、少し控えるシーンを見た。その後はペースはさらに落ちて、前半3ハロンが36.5とこの距離ではなかなかない遅さ。すっかり落ち着いた先行集団は、さらにペースを落として13.3で次のハロンを通過。

その間で、ウォーターミリオンの幸四郎Jは馬を促して前へと前進する。ラスト600のハロン棒を通過する時には、もう先行集団の外まで進出して来ていた。4角に入る時には、先頭に立って内ラチ沿いにまで行けたウォーターミリオン。これが大きい。外から外では保たないが、先行集団を一飲みしたウォーターミリオンは、そこで手綱を持つ左手に握られたステッキでさらに促して行く。外をタイセイアモーレが追い上げて来ていたが、2番手に並ぶまで。内田博Jの左ステッキで促すが、伸びがガツンと出ない。むしろ前を行くウォーターミリオンはもうひと伸びして行く。
2着争いが熾烈となって、内から伸びたマカレアとタイセイアモーレ、そしてジワジワと伸びてきたファンタサイズの争いとなったが、大外ファンタサイズが先着。

火曜の朝に田所師に話を訊けると思ってスタンドをウロウロと探したが、どうやらオータムセール2015に出かけていて不在だった様子。残念であるが、この馬についてまた後日に訊きたいと思う。
勝った馬は、どのレースでも良く見えるもの。だがこの一見、荒っぽい競馬ながら持てるエンジンの確かさを見た気がするウォーターミリオン。そこらを関係者から是非、この耳で訊いておきたいものだ。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。