【天皇賞(秋)】切れる紅一点パンドラ「もう1段階上の状態になった」

28日、日曜東京11レース・天皇賞・秋(G1)の追い切りが栗東トレセンで行われた。前走、オールカマーを快勝したショウナンパンドラ(牝4、栗東・高野厩舎)は、助手を背に坂路で軽めの最終調整。終い気合を付けると力強い脚捌きでゴールを駆け抜け4F54.1-38.8-25.2-12.7秒をマークした。

昨年の秋華賞後は、3戦してやや大きな着順が続いてしまったが、気温の上昇とともにグンと調子を上げ、宝塚記念では同世代の菊花賞馬トーホウジャッカル、オークス馬ヌーヴォレコルトに先着を果たす3着。そして秋初戦のオールカマーでもヌーヴォレコルトを楽に捕らえ、2つ目の重賞タイトルを手に入れた。前走後は牝馬相手のエリザベス女王杯ではなく、この天皇賞を選択。現役最強牝馬の称号を獲りに来た。

前走後もデキは高いレベルでキープされていて、池添謙一騎手が騎乗した1週前追い切りでは坂路でラスト1F12秒1と抜群の切れ味を披露。充実の4歳秋を迎え、前走の馬体重が440キロと、決して大きくはない馬体を非常に大きく見せているのも好印象だ。全4勝のうち3勝が2000mで条件はベスト。紅一点の切れ者が混戦を断つ可能性は大いにある。



11月1日(日)、東京競馬場で行われる天皇賞(秋)(G1)の共同記者会見が栗東トレセンで行われた。
追い切り後、ショウナンパンドラ(牝4、栗東・高野厩舎)に騎乗する池添謙一騎手の一問一答は以下の通り。

●宝塚記念は「牡馬相手でもやれる」の言葉通り

-:ショウナンパンドラの手綱はここまで2戦とられました。前走のオールカマーは目の覚めるような圧勝でしたね。

池添謙一騎手:そうですね。強かったと思います。

-:手応えとしてはいかがだったのですか?

池:状態のほうも夏場上手く過ごせたみたいで順調に来れているというのは聞いていて、追い切りも2回乗っていい感触だったので。いいレースができるいかなとは思っていましたが強かったです。

ショウナンパンドラ

乗った瞬間に状態の良さを感じたという池添謙一騎手


-:直線でもどこに出そうかという余裕があるくらいだった、とコメントを耳にしました。

池:内が凄くいいと感じていて、そこを突ければなと思っていたのですが、別の馬が内に進路をとって行ったのが見えたので、どこかに外に出そうと考えました。上手く外に出すことができましたね。

-:前々走が初めて手綱をとられた宝塚記念だったわけですが、ここで3着という結果でした。最初に乗った時の印象としては?

池:春はあまり成績も良くなかったようですが、宝塚記念の時は凄く状態が上がっていると聞いていました。高野先生からも「牡馬相手でもやれる馬だから」とずっと聞かされていて、そのとおりに。もっと上手く捌けていれば、勝ち馬とも際どかったというくらいのレースでした。力は十分見せてくれたのかと思います。

-:そして、この中間の調教には先週乗られました。坂路で39秒2-12秒1、併せてグイッと反応良く先着したように見えましたけれど、感触はいかがでしたか?

池:前走後からは初めて跨ったのですが、G1になるのでさらに1ランク上の状態になっていてほしいなと思っていまして、もう乗った瞬間から状態の良さを感じました。坂路2本上がったのですけが、1本目の普通キャンターの時にも上積みを感じる動きをしてくれていました。追い切りも時計自体は、もう1頭の馬に併せる形になったのですが、終いの動きはしっかりしていましたし、もう1段階上の状態になったというようには感じました。

-:舞台は東京2000mへと替わりますが、ここまで右回りで手綱をとられています。東京2000mと相性、イメージはどのように感じていますか?

池:相性は走ってみないと分かりませんが、東京2000mは枠も影響してきますし、乗り難しいコースとは感じています。パンドラ自身は凄く乗りやすい馬なので、こなしてくれると思いますし、広い東京の直線も合っているのではないでしょうか。

-:また、牡馬を蹴散らす鋭い走りを期待されているファンがたくさんいますので、最後に抱負をお願いします。

池:先ほど、担当の吉田君(調教助手)に聞いたところ、絶好調だというコメントをもらいました。いい状態で本番に向かえると思いますので、僕はいい結果を出すことだけを考えてしっかり乗りたいと思います。