ダノンプレミアム、ここも桁違いのパフォーマンス!!【平林雅芳の目】

ダノンプレミアム

18年3/4(日)2回中山4日目11R 第55回弥生賞(G2)(芝2000m)

  • ダノンプレミアム
  • (牡3、栗東・中内田厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:インディアナギャル
  • 母父:Intikhab
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中山も気温が上がり、日差しも眩しいほど。風がけっこう強く吹いたりする中山競馬場。無敗馬の対決で盛り上がるパドック周辺の人の数だった。
固唾を呑んで見届けたレースは、まるで大人と子供ほどに力の差を感じさせたダノンプレミアム。馬場のいいところを選んで通るほどに、他馬とはレース運びが違った。最後まで手綱を動かさない鞍上の余裕。これほどまでの圧巻のレースぶりを、後ろはどう見ていたのだろうか。現3歳世代では頂点にいる馬だろうと思える。

中山のパドックは、時に眩しくて見づらい時がある。太陽に向かって観る感じで見にくい。また、電光掲示板の影にスポっと入って逆に見づらい時もある。しかし今日のここは春の陽が明るく優しく照らしていた。
初めて見る関東の無敗馬、藤澤厩舎のオブセッション。失礼ながら、気をつけないと見逃すぐらいにオーラを感じない。後で思ったのが、馬にも序列というか気位を感じる能力があって、この馬には敵わないと思って萎縮していたのかと、勝手に解釈もする。
ダノンプレミアムは、ディープインパクトの子供の中でも幅がある馬だろう。同じ父を持つワグネリアンとはまるで正反対。ところが、今日のワグネリアンはいつも栗東で観ている時ほどに線の薄さを感じさせない。ジャンダルムは、10キロ減ったがその数字ほどに細いとも感じない。やはりこの3頭はいい。少し外のサンリヴァルのテンションが高めかなと思えた。

中山は、芝のレースだとパドックからトンネルを出て検量室前を歩いて通る仕組みになっている。じっくりと馬体を観るのに最適だ。初出走のヘヴィータンク等を使っている森師と並んで通る馬を見る。
ダノンプレミアムは、お尻のテッペンがまだ尖っている。そこらにまだ子供っぽさが残っているだけに良くなってくると、自分の意見を森師に伝える。馬には丸みが一番。流線形の様なラインが一番なのではと、常々思って見ている。堂々としてゆっくり馬場に入り、キャンターに移って行ったダノンプレミアムの後ろ姿を観ていた。

レースは有馬記念の時にもいたポジション。ゲートを真っすぐに見れる絶好の位置である。すぐ眼の前を2コーナーへと向かう馬群を見れるところだ。双眼鏡でジャンダルムを中心に、他の馬を視界に入れて観る。

ジャンダルムもいいスタートを切った。外でダノンプレミアムも好スタート。その後にサンリヴァルが外から前へと入り、先手を主張。そこらだけ少し噛み気味に思えたが、後はすぐに折り合えた様だ。
逃げた馬から3馬身の位置に一番強い、ダノンプレミアムがいる。この流れを誰が想像するだろうか。リビーリング、ジャンダルムと後ろに続くが見事なまでに各馬、折り合っている。その後ろのワグネリアンもしかり。淡々と流れて3コーナーを過ぎる。そこらで後ろに動きがあった。オブセッションが、ややコーナーリングがうまく行かず。若さを出してしまっていた。

内ピッタリを逃げるサンリヴァル。2番手のダノンプレミアムが、内を開けてセパレートで廻る。開いたそこへと、ジャンダルムが入ってくる。ダノンプレミアムはまるで芝がないところを避け、生えているところを選んで走っているかのごときだ。そんなロスを承知でも、先頭を行くサンリヴァルとの差はなくなって行く。
その4コーナーに入る時に、後ろのワグネリアンにはステッキが入った。いわゆる鞍上のゴーサインなのであろう。真っ先に仕掛けたのがワグネリアン。それでも少し先を行くダノンプレミアムとの差は縮まらぬ。ジャンダルムも追いだしていくが、ガツンとは伸びない。2馬身の差をキープしたまま、川田騎手は手綱を動かすこともなくゴールへと入って行く。最後はワグネリアンが外から伸びて2着確保。内で粘るサンリヴァルをゴール寸前でジャンダルムが交わしたのが見えた。

「他馬と離して走る姿をどこかで見たぞ!」と。そう、ディープインパクトが内の馬とかなり離れて外を、誰もいない外を真っすぐに脚を伸ばして行くのを何度か見た。あの時と似たようなゾクゾクっとする気持ちである。

場内では、表彰式がウイナーズサークルで行われている。ダノンプレミアムも担当さんからJRAの職員が預かる。担当さんも表彰式へと行った。
職員が引いて歩いているダノンプレミアムの雰囲気を、傍で食い入る様に観ていた。馬自身が廻りを威嚇する様に堂々と歩いている。もしかしてではなく、間違いなく化け物級の馬が出現した様である。父、ディープインパクトから父を超える様な馬がついに出たのかも知れない。そんな予感をさせる馬なのである・・・・。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。