トレセンレポート【フラワーC】ベストクルーズ

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「小柄な割りにトモが大きいでしょ。筋肉量が豊富ですし、見た目よりも体重がありますよ。手脚が丈夫なのも長所。それでいて、一般的なクロフネ産駒とはイメージが違い、体が柔軟なんです。母父のサンデーサイレンス譲りのものでしょう」
こう森田直行厩務員が話すのは、フラワーCでの巻き返しが期待されるベストクルーズ(牝3、栗東・松田博厩舎)のこと。

名門の千代田牧場が大切に育んできたチヨダマサコにつながる血筋。母マサコチャンは未出走だが、ニッポーテイオーやタレンティドガールの半妹にあたり、同馬の全兄にはサトノロマネ(現1000万下)がいる。ただし、素質馬が集う松田厩舎にあって、当初はまったく目立たない存在だった。

「きつそうな目をしていても、普段は大人しく、マイペース。入厩以来、調教はびっくりするほど動きませんからね。実戦では一転してきつくハミを取りがちなのに、抜け出すとソラを使い、なかなか勝ち切れなかった。ただ、どんな相手でも大崩れせず、チューリップ賞(9着)以外はすべて3着以内。能力の証明ですよ」
前走の敗因は明確。好スタートを切ったのに、3コーナーで下がってきた馬に邪魔され、競馬にならなかった。

「レース後は、すぐに息が入りました。全力を尽くしていないのがありあり。恐るべき心肺機能の持ち主なんですよ」
今回は中1週の強行軍となるが、それも心配なし。ベストパフォーマンスで、クルーズ(英語の競馬用語で楽々と勝利する意)を決めそうな予感がする。

ベストクルーズ
(牝3、栗東・松田博厩舎)
父:クロフネ
母:マサコチャン
母父:サンデーサイレンス
近親:ニッポーテイオー
通算成績:6戦1勝