【大阪杯】ラッキーライラック「2年連続中山記念2着」の意味、価値の違いとは?

牡馬相手に3つ目のG1を狙うラッキーライラック

牡馬相手に3つ目のG1を狙うラッキーライラック


【ラッキーライラック陣営独占インタビュー・前編】

-:大阪杯(G1)に出走するラッキーライラック(牝5、栗東・松永幹厩舎)についてですが、惜しくも連続2着だった香港ヴァーズと中山記念を振り返っていただけますか。

丸内調教助手:香港のレースはエグザルタント(3着)を倒すことしか考えていませんでした。結果的にグローリーヴェイズに負けはしましたけど、エグザルタントには勝ってくれたので満足したレースでした。勝ったのは日本馬だったし、悲観する2着ではなかったです。

-:モレイラ騎手のグローリーヴェイズは内から綺麗に弾けてきた感じで、勝った馬を褒めるしかないですね。

丸:そうですね、位置取りの差もありましたし。

-:中山記念はいかがでしたか。

丸:中山記念は戦前からアプローチの難しいレースだなと思いました。多分、ファンも同じ気持ちだったと思うんです。こちら側の話をすると、チームジャパンで一緒に香港に行ったメンバーで、みんなバラバラの距離を走った馬たちが中山記念というレースに一堂に会しました。距離短縮や延長になったり、本当に分からないレースでした。昨年の2着時は何とかここで結果を出さないといけないという課題がありました。その分、きっちり仕上げて、坂路でも時計を出して、勝負になる状態で出走しました。今年はマルターズアポジーが引退レースだったんですよね。だから、そんなにハイペースでは逃げないだろうというのもあったし、そもそもミルコ(デムーロ)ジョッキーが控えるのか、前に付けるのか分からなかったし、本当に厩舎としても難しい中山記念でしたね。

ラッキーライラック

▲今年初戦の中山記念で2着に入ったラッキーライラック

-:先ほど「去年とは仕上げが違った」という話でしたが、それが+11キロという体重にも表れていたのですか。

丸:それは戻っただけですね。518キロはエリザベス女王杯と同じ体重です。香港の時と比べて大きくなったというよりは戻ったなという所ですね。ただ、戻ったにしても520キロ台で走らせたかったのですが、暖かった分、ほんの少し減った印象です。

-:今年2戦目のレースが大阪杯になる訳ですが、中間の状態というのはいかがですか。

丸:調整方法としては、エリザベス女王杯の時よりも1週多い感じなので、体重に関しても、中山記念の後に膨らんで、元に戻って、ちょっとずつ減ってきているという感じですね。本当にエリザベス女王杯と同じような感じで、1週前追い切りも昨日(3/25)シッカリやったので、その後、今日の検量でも524キロでした。エリザベス女王杯と同じような調整が出来ています。本当に順調ですよ。

-:昨日CWで追い切られた感触を教えて下さい。

丸:併せ馬で北村友一騎手が乗ったシャンティローザを追い掛けて「最後はシッカリ追って、外を通ってこい」と先生に言われたので、外を通りました。並走馬のシャンティローザが81秒ぐらいで行ったので、僕は5~6馬身追い掛けていて、これは追い付かないだろうなという感じだったんです。エリザベス女王杯の1週前追い切りは内を通りましたが、今回は大外を回ったので、届きませんでした。でも1週前にシッカリ追って、79.9秒という予定通りの追い切り内容でした。大外を通っている分、すごく価値のある時計だと思います。

-:オーバーワークの心配もないですね。

丸:予定通りなので大丈夫です(笑)。それは中山記念の前にはやっていなかったことなので。

ラッキーライラック

-:中山記念の時よりはもうワンランク上の仕上げになっているということですね。

丸:中山記念の時は併せる相手もいなかったしね。

-:ラッキーライラックと併せられるクラスの走る馬がいなかったということですね。

丸:やりたかったけど、できなかったということですね。その結果、3~4コーナーでちょっとモタモタしていたのかなと。

-:今回は色々安心な要素が多いG1挑戦になりますね。

丸:前走もモタモタして、秋華賞のように止めちゃってもおかしくないのかなという所から伸びてきてくれたので、やっぱり成長しているんだなと。あの手応えでは沈んでいくパターンかなと一瞬思ったんですけどね。

-:2歳から活躍していて、5歳でまだ走る気持ちが残っているというのは何か秘訣があるのですか。

丸:やっぱり若い時にそこまでムチャクチャ走っていなかったというか、燃え尽きてしまうようなことはやっていないのが良かったんでしょう。若い時に追い込んでしまうと、成長の芽を摘んでしまうことにもなってしまいますからね。昨年の夏に北海道へ放牧したのが良かったですね。

-:その後から良い結果が続いていますからね。今年はほぼラストシーズンですが、どんなお気持ちですか。

丸:ちゃんとケガなく、牧場に帰すこと一番だという責任は感じています。G1ホースだし、使うレースも限られてくるという所で、決められたレースはちゃんと体調を合わせて出走させたいです。

(後編へ続く)