競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【大阪杯】ディープインパクトの子供が多数出走
2021/3/30(火)
今年はかなりの豪華版。無敗で3冠馬となったコントレイル、あのアーモンドアイに負けたJCは記憶に残るいい競馬だった。
そこへグランアレグリアが参戦してきた。安田記念、スプリンターズS、マイルCSとマイルであれ1200であれ、決めてしまう切れ味の彼女が今度は2000へ初参戦である。藤沢和調教師がやることだけに、自信があるのだろうと思えてしまう。
この2頭の戦いに、まだまだいる。
サリオスが皐月賞以来のコントレイルとの戦いを選択してきた。まだ本当の力を発揮したのを見た気がしない馬である。もう1頭、不気味なのが5戦無敗のレイパパレ。去年デビューしての5戦。小さい馬だが安定したレースぶりだ。
気がつけばディープインパクトの子供が7頭も出ている。ここからコントレイルの無敗の戦いが続くのかも知れない。
21年3/28(日)2回中京6日目11R 第51回 高松宮記念(G1、芝1200m)
- ダノンスマッシュ
- (牡6、栗東・安田隆厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:スピニングワイルドキャット
- 母父:Hard Spun
高松宮記念(G1)の結果・払戻金はコチラ⇒
3週連続で雨が降る日曜。今年も悪コンディションの中で高松宮記念が行われた。1200が初めての馬が6頭もいた。その中の1頭がレシステンシア。前売りから1頭が抜きんでるオッズ。最終的には2番人気のダノンスマッシュの倍ぐらいの支持。いかにレシステンシアに期待が集まったかだった。
後はレースの流れ。内枠のモズスーパーフレアが先手は当然だ。問題はレシステンシアがすぐ傍でレースが出来るのか。直線ではどこを通るのかも読みづらい予測であった。また道悪だけに視界も読みもあまり判らぬ画面越し、ゲートが開いた。
僅かに大外、ミッキーブリランテが一番後ろにあった。ダノンスマッシュも今年は何事もなかった。出た瞬間にモズスーパーフレアの体がいちばん前に。そのまま1ハロン過ぎまで2馬身ぐらい誰にも絡まれずに行けた。逃げ馬がこれほど何事もなく自分のペースで行ければ、本来は結果も当然についてくる。
ところが容赦ない雨が力を削ぐ。あと100の処で 僚馬、インディチャンプに並ばれる。そのインディチャンプもあと10mぐらいの処で差されてしまう。それほどに内は悪かった。
レシステンシアは、セイウンコウセイら2番手グループが横に広がっての追走。外枠の分で前へ出れず、3列目に控える。逆にここのポジションが絶好な位置。すぐ左うしろにダノンスマッシュがいた。
レシステンシアが勝利に届かなかったポイントは直線で、あと400のあたり。前のセイウンコウセイが馬場のいい外へと馬首を向けた。その動作にレシステンシアが反応して少し外へ出た。そこで2頭の間に大きな空間が。そこをダノンスマッシュが割って入ってきた。そこが閉まっていたなら、ダノンスマッシュとの内外が逆になっていたかも知れぬ。いや、勢いが違い過ぎたか。
これで安田隆厩舎はこの10年で3勝。ロードカナロアの親子制覇も果たした。そしてダノンスマッシュはまた今年も香港へと渡るようだ。ロードカナロア産駒の活躍が凄い!
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。