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【ジャパンC】ロングスパート勝負歓迎のノーブルマーズ「途中から徐々に速い方が良いかなと」
2018/11/19(月)
-:上半期の宝塚記念では3着と好走したノーブルマーズ(牡5、栗東・宮本厩舎)ですが、ジャパンカップ(G1)に挑むにあたって聞かせてください。よろしくお願いします。
石原卓治調教助手:よろしくお願いします。昔は3~4回使ったら、背腰に疲れが出たんですけど、今年の春はそういうことがなくなったというのもありますね。それに体に無駄な力を入れなくなったり。まだ良くなる余地はありそうですが、この前に使った後も、特別な治療をすることもなかったですしね。
-:「まだ」ということは、もっと良くなりそうな感触というか、余地というのはあると。
石:ありますね。追い切りでもまだ自分から動くようになってこないので…。その辺はアルゼンチン共和国杯の前にも公表されていたと思いますが、放牧先で挫跖があり、乗り込みが足りなかったんですよ。乗ってはちょっと痛くなったりの繰り返しで…。
-:そのあたりは記事にもなっていましたね。
石:追い切りでも高倉(騎手)もあまり良いことを言わなかったんですよね。ただ、それを思えば頑張ったと思いますけどね。ヨーイドンじゃなくて、もうちょっと流れてくれたら。
-:前回(アルゼンチン共和国杯9着)を使っての上積みに期待したいところです。
石:速いところをやっていないですからね。週末やってみて、来週また高倉騎手を乗せて、中2週だからあまり速い追い切りはしないかもしれないですが、それで判断できそうです。
-:アルゼンチン共和国杯からの始動は早い段階から決まっていましたか?
石:そうですね。最初は京都大賞典かオールカマーかということで、大体2000m以上の距離で、京都大賞典は日程的にちょっと厳しいかなということでしたね。(宝塚記念が)6月の末だから、7月に1カ月休ませて、8月から乗って9月だから、休みにならないですからね。
-:宝塚記念を使うということは、そういうリスクも多少なりともあるということですね。
石:休ませたけど、それではあまり意味がないのでね。今回は何を踏んだのか知らないけど、蹄がもともと浅くて、ベタ爪なので。
-:普通なら、道悪はあまり良くないはずですね。
石:そうですね。あまり得意じゃないと思います。こなすことはこなすのですが、ノメっていますから。走り方はそんなにノメった走りではないですけど、決して得意という訳じゃなくて…。良馬場の方が成績は良いと思います。
-:しかし、宝塚記念の時はあの時期特有といいますか、渋っていましたよね。馬場入りでも馬場に入られたかと思います。
石:けっこう湿っているというか、重い感じでしたよ。しかも、昨年の大雨の時に走ったので、走れないわけではないんですよね。道悪だからと言って、そんなにマイナスではないですけど、良馬場にこしたことはないですね。蹄を考えたら良馬場ですね。
-:走り方的にはどうですか。
石:走り方は重心が高めですね。そんなに低くなくて、その分、起きているので、下が悪くてもまだいけますね。低い馬はノメりやすくて、滑りますからね。
-:蹄が薄いけど、全体のバランスでこなしていると。
石:走り方やファーム的にこなすということですね。
-:腹袋は大きなタイプですか。
石:昔はもうちょっとちっちゃかったんですけどね。450~60くらいでデビューして。夏場も使い込むとあまり成長しないですからね。先生(調教師)もしっかり夏場を休ませてくれているから、使って、夏休ませて、秋使っているという感じで行ったら、帰ってくる度に大きくなってきますからね。
-:ジャングルポケット産駒らしさというのは感じる部分はありますか?
石:どちらかといえば(母系の)Silver Hawkが出ているのかもしれないですね。母は栗毛馬で、この毛色でしょうから。
-:馬体的なセールスポイントはどのあたりでしょうか?
石:昔から「心臓が良い」と言われていますね。デビュー前にも「心臓が良い」と言われましたしね。
-:追い切りでジョッキーが…という話もありましたけど、今の時代は珍しいといいますか、
石:そうですね。オーナーが「高倉君で」と言ってくれていますからね。
-:これまで30戦すべてで騎乗ですもんね。どうでしょう。実際、ある程度、乗り慣れた人の方がいいというクセがあったりはしますか。
石:物見もありますからね。それはあると思います。シャドーロールを着けているのも物見をするからなんですよね。
-:「物見がある」ということですが、普段の性格的にはどんな子ですか。
石:そんな悪い子じゃないですね。調子に乗ってきますけどね。気が強いところもあるけど、悪いところはやや我慢弱いというか(笑)。
-:5歳秋にしても元気な様子ですね。今回の条件、展開で理想があれば教えてください。
石:基本は平均ペースが一番良いですけどね。淡々と流れて、ある程度上がりも遅くなってくれた方が。この馬は自分のペースを乱すと、終い垂れるので。ハイペースで急がせてポジションを取りに行くのがよくないタイプですね。
-:ある程度、序盤はゆっくり入った方が。
石:序盤はゆっくりの方が良いと思います。途中から徐々に速い方が、ロングスパートの方が良いかなと。アルゼンチン共和国杯でも最後に急にグッと上がりましたから。一瞬の脚がそこまでないので、そこは長く続かないので。
-:速い脚があまりないということですね。
石:ある程度、一定速度の速いラップを持続するのは得意です。11秒5くらいで脚を使えたら上がり3Fにすると34.5秒で、後半5Fが57~8秒くらいまでなら余裕で行けますね。12-12からいきなり11-11みたいだったら、最後止まっちゃいますからね。この前も11.1-11.0で最後11.2秒だったので。
-:東京コース自体はどうですか。
石:春に2回走っているので、坂とかそういうのは気にならないですね。昔、青葉賞で走った時に、逃げ馬が途中から速過ぎたのか、残り1400くらいのところから速くなったので。1000mをせっかく1分2~3秒で入っているのに、その次からずっと11秒台で行っているから、バッタリでしたからね。あそこで2ハロン我慢していたら、もうちょっと際どかったんですけどね。今回は途中から動いていく他馬がいるかもしれないでしょうから、その流れに乗っていければ…。
-:馬房の様子をみると、気持ちも若そうですね。
石:気持ちもまだオッサン、オッサンしていないから、まだ4歳くらいですね(笑)。
-:好奇心が旺盛ですか。
石:ちょっとでも変わったものがあったら、鼻を鳴らしているでしょ。カメラマンが来た時も鼻を鳴らすんですよ。警戒しているんでしょうね。
-:でも、人懐っこさもあるのですか。
石:人懐っこいというか、懐かれると面倒くさいですね(笑)。ちょっかいをかけると、牧場の時に怒られたのか知らないですけど、怒られるとすぐに自分から逃げていくので、相当怒られたのかなと(笑)。「育成の時はちょっと手を焼いていた」と聞いていたので。事後報告で聞いたんですけどね。
-:最後にレースへ向けての見通しをお願いします。今年1月にオープン入りを果たして、飛躍の一年だったと思います。
石:来週の追い切りでどれくらい状態が上向いてくれるか。展開的には、無理に前にいかなくても、流れがハマれば走ってくれますからね。
-:ありがとうございました。
取材に応じてくれた石原助手とノーブルマーズ
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