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平林雅芳の目
2009/5/26(火)
日曜東京11R
オークス(JpnⅠ)
芝2400m
勝ちタイム2.26.1
勝ち馬:ブエナビスタ(牝3、栗東・松田博厩舎)
■驚愕の脚、ブエナビスタ2冠に届く。
誰しもがレッドディザイアの勝利を確信したゴール前、それほどにセーフティリードで完全に勝利を手中に入れたはずだったのに、信じられないほどに伸びたブエナビスタの豪脚。
まるでダイワスカーレットとウオッカの、良きライバル対決を彷彿させるような今年の若き牝馬の頂上争いであった。
勝ったブエナビスタに、惜しくも敗れたレッドディザイア。
実に見事な勝負で、最高のシネマのような今年のオークスでありました。
大勢の観衆を前にしたゲート入り前の輪乗りの時でも、ブエナビスタはビクともしなかった。
圧倒的1番人気の支持を受けた少し細目の本日の馬体であるが、ちょっとやそっとでは動じない精神力の強さを目の当たりにして、大勢のファンは楽勝の予感を持ったはずだ。
レースが始まって、後ろからひとつ前のポジションに位置していて随分と縦長の展開になっていても、大勢のファンは後ろ過ぎるとは思ってみていなかっただろう。
あの桜花賞の鬼脚を観た者には、ブエナビスタならどこからでも追い込んで来れると思っていたに違いない。
直線あと400メートルあたりで、前にいた馬の壁がポッカリ開いて、レッドディザイアがスルッと前に出た。
最大では2馬身以上の差が、後続の馬とは出来たのではなかろうか。
前を追うジェルミナル、ブロードストリートの横を、安藤勝Jのステッキに呼応したブエナビスタが飛ぶように前を行くレッドディザイアに追いすがった。
少し内へ切れ込みながら、レッドディザイアの外に馬体を並べて僅かに出たのがゴールの瞬間であった。
ゴールを過ぎて、四位Jと安藤勝Jがお互いの顔をみつめあっていた。
どちらが勝ったかは判っているだろうが、戦いすんでその激闘とお互いの馬の力量を褒め称えあっているかの様な、ゴール過ぎのシーンであった。
レッドディザイアは、道中最初の部分で多少かかる感じを見せてはいたが、向う正面に入ってからは、落ち着いて内ラチ沿いを進んだ。
前後には武豊Jのツーデイズノーチスに、ジェルミナル、ブロードストリートが位置しており、理想的な位置だったはずだ。
道中も直線も迷わず、進路を邪魔されることもなく、本当に絵に描いたとおりに廻ってきた。
ブエナビスタは、ジンワリと行って自然と後ろから2番手の位置となった。
でもこれも内々の進路であった。
直線まではその内で、さすがに4角では外へ出しての追い出しとなった。
コーナーリングもスムーズに廻り、一気に前との差を詰めた。
しかし外にサクラローズマリーがいて、一瞬だけ安藤勝Jはそのまま真っ直ぐ進路をとる構えを見せたが、その後でサクラの外へ出してからステッキを一発入れた。
瞬く間に反応して、鋭く伸びるブエナビスタ。
前を行くジェルミナルの外あたりで、またステッキを入れて追い出した。
おそらくこのあたりのラップが、11.1の猛烈なトップスピードの時だろうと思う。
そして最後はレッドディザイアと馬体を併せてのゴールで、ハナ差の勝利。
でもこのハナはかなり大きく、頭ひとつぐらいまでの差はあっただろう。
四位Jは完璧な騎乗だったはず。
あれで負けたら仕方ないとも言える、これ以上ない騎乗だと思えた。
正直、殆どのファンがレッドディザイアが勝ったと思った時間があったのではなかろうか。
安藤勝Jの『負けてなくて良かった』は本当の気持ちだろう。
負けても仕方ない直線入り口の態勢であり、レッドディザイアとの差であった。
ブエナビスタの負けず嫌いなところ、エンジンの凄さをまたまた知った思いだ。
ブエナビスタとレッドディザイア、この2頭はこれからも日本の競馬史を塗り替えてくれそうだし、良きライバルとして数々の名勝負を繰り広げてくれそうな予感をさせてくれる。
なかなか見ごたえのある、素晴らしい競馬でありました・・・。
オークス(JpnⅠ)
芝2400m
勝ちタイム2.26.1
勝ち馬:ブエナビスタ(牝3、栗東・松田博厩舎)
■驚愕の脚、ブエナビスタ2冠に届く。
誰しもがレッドディザイアの勝利を確信したゴール前、それほどにセーフティリードで完全に勝利を手中に入れたはずだったのに、信じられないほどに伸びたブエナビスタの豪脚。
まるでダイワスカーレットとウオッカの、良きライバル対決を彷彿させるような今年の若き牝馬の頂上争いであった。
勝ったブエナビスタに、惜しくも敗れたレッドディザイア。
実に見事な勝負で、最高のシネマのような今年のオークスでありました。
大勢の観衆を前にしたゲート入り前の輪乗りの時でも、ブエナビスタはビクともしなかった。
圧倒的1番人気の支持を受けた少し細目の本日の馬体であるが、ちょっとやそっとでは動じない精神力の強さを目の当たりにして、大勢のファンは楽勝の予感を持ったはずだ。
レースが始まって、後ろからひとつ前のポジションに位置していて随分と縦長の展開になっていても、大勢のファンは後ろ過ぎるとは思ってみていなかっただろう。
あの桜花賞の鬼脚を観た者には、ブエナビスタならどこからでも追い込んで来れると思っていたに違いない。
直線あと400メートルあたりで、前にいた馬の壁がポッカリ開いて、レッドディザイアがスルッと前に出た。
最大では2馬身以上の差が、後続の馬とは出来たのではなかろうか。
前を追うジェルミナル、ブロードストリートの横を、安藤勝Jのステッキに呼応したブエナビスタが飛ぶように前を行くレッドディザイアに追いすがった。
少し内へ切れ込みながら、レッドディザイアの外に馬体を並べて僅かに出たのがゴールの瞬間であった。
ゴールを過ぎて、四位Jと安藤勝Jがお互いの顔をみつめあっていた。
どちらが勝ったかは判っているだろうが、戦いすんでその激闘とお互いの馬の力量を褒め称えあっているかの様な、ゴール過ぎのシーンであった。
レッドディザイアは、道中最初の部分で多少かかる感じを見せてはいたが、向う正面に入ってからは、落ち着いて内ラチ沿いを進んだ。
前後には武豊Jのツーデイズノーチスに、ジェルミナル、ブロードストリートが位置しており、理想的な位置だったはずだ。
道中も直線も迷わず、進路を邪魔されることもなく、本当に絵に描いたとおりに廻ってきた。
ブエナビスタは、ジンワリと行って自然と後ろから2番手の位置となった。
でもこれも内々の進路であった。
直線まではその内で、さすがに4角では外へ出しての追い出しとなった。
コーナーリングもスムーズに廻り、一気に前との差を詰めた。
しかし外にサクラローズマリーがいて、一瞬だけ安藤勝Jはそのまま真っ直ぐ進路をとる構えを見せたが、その後でサクラの外へ出してからステッキを一発入れた。
瞬く間に反応して、鋭く伸びるブエナビスタ。
前を行くジェルミナルの外あたりで、またステッキを入れて追い出した。
おそらくこのあたりのラップが、11.1の猛烈なトップスピードの時だろうと思う。
そして最後はレッドディザイアと馬体を併せてのゴールで、ハナ差の勝利。
でもこのハナはかなり大きく、頭ひとつぐらいまでの差はあっただろう。
四位Jは完璧な騎乗だったはず。
あれで負けたら仕方ないとも言える、これ以上ない騎乗だと思えた。
正直、殆どのファンがレッドディザイアが勝ったと思った時間があったのではなかろうか。
安藤勝Jの『負けてなくて良かった』は本当の気持ちだろう。
負けても仕方ない直線入り口の態勢であり、レッドディザイアとの差であった。
ブエナビスタの負けず嫌いなところ、エンジンの凄さをまたまた知った思いだ。
ブエナビスタとレッドディザイア、この2頭はこれからも日本の競馬史を塗り替えてくれそうだし、良きライバルとして数々の名勝負を繰り広げてくれそうな予感をさせてくれる。
なかなか見ごたえのある、素晴らしい競馬でありました・・・。
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