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平林雅芳の目
2009/6/16(火)
土曜東京11R
エプソムC(GⅢ)
芝1800m
勝ちタイム1.45.5
勝ち馬:シンゲン(牡6、美浦・戸田厩舎)
■シンゲンの勢い止まらず。エプソムCも制覇。
パドックで周回する馬の上には、今にも雨が降りだしそうな黒い雲が垂れ込めて、あたかも雨を落とすタイミングを計っているかのようだった。
まだまだ本格的な梅雨入りではないが、ちょっと蒸しっとくるこの日の東京競馬場であった。
『止ま~れ』の黄色い声がかかり周回している馬が止まると、駆けつけたジョッキーたちが跨った。
シンゲンがやや入れ込み気味だったが、これでもいつもよりマシだそうだ。
馬体の数字は減っていたが、ユタッとしていて細くは見えない。
ヒカルオオゾラは黒光りする馬体で、アピール度はかなりのものだろうと推測された。
検量室前で騎手を待っている池江寿師に、『いい馬だね、父親によく似ているよ』と小島太師が声をかけた。
誘導馬のオッケイゴウを先導に馬場に出てきた各馬は、キャンターで駆け抜けて行った。
どうやら恵みの雨は遅れそうな空模様だった。
小島太師のメイショウレガーロが好発で出て行った。
ニルヴァーナ、アーネストリーと、内の馬もほぼ互角のゲートで前に出た。
ヒカルオオゾラも好位に楽々とついていた。
ちょっと遅れたショウナンラノビアが、ダッシュをつけて先頭へと踊り出た。
3角を過ぎて一番前はショウナンラノビア、二番手はアーネストリーであった。
ここらでは、後めからキャプテンベガがシンゲンの前へと順位を上げて、ヒカルオオゾラの後ろぐらいにつけた。
ヒカルオオゾラの後ろがキャプテンベガ、その後ろがシンゲンの縦一列で、まるで競輪のライン戦のような隊列となった。
各馬けっこう馬場の外目を通っていた。
その外目の好位にいたヒカルオオゾラだが、前に馬がいないせいか、その位置で収まらず3角過ぎからはもっと前に行きそうな気配だった。
前の馬との差がどんどんなくなっていった。
前にいるのは、内にショウナンラノビア、そしてアーネストリーだけ。
その2頭との差もほとんどなくなり、4コーナーへと入って行った。
直線入り口では、内ラチ沿いをショウナンラノビア、馬場の真ん中をヒカルオオゾラが、ややゆったり気味に廻った。
ちょうどその間に位置していたアーネストリーが、少し馬体を外へと寄せていったが、それも束の間、並ぶ間もなくヒカルオオゾラが前へと出た。
しかしまだ400メートルのハロン棒の前で、まだ鞍上のゴーサインは出ていなかった。
後ろをついてきていたキャプテンベガが、追い出しにかかると、それに呼応するように、その後ろを追走していたシンゲンの鞍上が、激しくステッキで追い出した。
キャプテンベガをアッと言う間に抜き、前を行くヒカルオオゾラを追撃した。ヒカルオオゾラも、武豊Jが左ステッキを入れてラストスパート。
だが、かなりステッキを入れてグンと加速したシンゲンの伸びが鋭かった。
着実に地面を捕らえた四肢が、もう鞍上の手綱だけでグイグイと伸びてトップスピードに入り、ヒカルオオゾラを捕らえ、そして前へと踊り出た。
ヒカルオオゾラの伸びはスローモーションの様な感じで、シンゲンの回転の速い伸びと違っている、そんな印象であった。
前の2頭から少し離れて、キャプテンベガが3着。
逃げたショウナンラノビアが、内ラチ沿いを粘って4着。
5着には、後方から大外を伸びてきたトウショウウェイヴが突っ込んできていた。
勝ったシンゲンは、これで東京コース6勝目。
今年は3連勝で重賞連勝である。
今日使った脚はメンバー中最速の脚で、34秒2。
ヒカルオオゾラは、ほぼ3コーナーから前々での競馬となったが、ずーっと馬なりでの競馬。
追い出しも我慢されてのものだけに、ちょっと案外な脚の使い方だろう。
シンゲンは最後は2番人気の支持となったが、当初は1番人気の支持を受けていた今回。
やはりここに来ての完成度が買われていたようだし、大勢の眼の肥えたファンが出した答えも相変わらずに鋭いものだった。
恐れいりました。
安田記念といい今回のエプソムCといい、上位人気馬がちゃんと結果を出す競馬。
観ていても、これこそが競馬本来の姿。
『力のある馬がそのとおりに結果を出す』、何て素晴らしいことだろう。
いつもこんな競馬のシーンを見られたらいいなと思った、今日のエプソムCでありました・・。
エプソムC(GⅢ)
芝1800m
勝ちタイム1.45.5
勝ち馬:シンゲン(牡6、美浦・戸田厩舎)
■シンゲンの勢い止まらず。エプソムCも制覇。
パドックで周回する馬の上には、今にも雨が降りだしそうな黒い雲が垂れ込めて、あたかも雨を落とすタイミングを計っているかのようだった。
まだまだ本格的な梅雨入りではないが、ちょっと蒸しっとくるこの日の東京競馬場であった。
『止ま~れ』の黄色い声がかかり周回している馬が止まると、駆けつけたジョッキーたちが跨った。
シンゲンがやや入れ込み気味だったが、これでもいつもよりマシだそうだ。
馬体の数字は減っていたが、ユタッとしていて細くは見えない。
ヒカルオオゾラは黒光りする馬体で、アピール度はかなりのものだろうと推測された。
検量室前で騎手を待っている池江寿師に、『いい馬だね、父親によく似ているよ』と小島太師が声をかけた。
誘導馬のオッケイゴウを先導に馬場に出てきた各馬は、キャンターで駆け抜けて行った。
どうやら恵みの雨は遅れそうな空模様だった。
小島太師のメイショウレガーロが好発で出て行った。
ニルヴァーナ、アーネストリーと、内の馬もほぼ互角のゲートで前に出た。
ヒカルオオゾラも好位に楽々とついていた。
ちょっと遅れたショウナンラノビアが、ダッシュをつけて先頭へと踊り出た。
3角を過ぎて一番前はショウナンラノビア、二番手はアーネストリーであった。
ここらでは、後めからキャプテンベガがシンゲンの前へと順位を上げて、ヒカルオオゾラの後ろぐらいにつけた。
ヒカルオオゾラの後ろがキャプテンベガ、その後ろがシンゲンの縦一列で、まるで競輪のライン戦のような隊列となった。
各馬けっこう馬場の外目を通っていた。
その外目の好位にいたヒカルオオゾラだが、前に馬がいないせいか、その位置で収まらず3角過ぎからはもっと前に行きそうな気配だった。
前の馬との差がどんどんなくなっていった。
前にいるのは、内にショウナンラノビア、そしてアーネストリーだけ。
その2頭との差もほとんどなくなり、4コーナーへと入って行った。
直線入り口では、内ラチ沿いをショウナンラノビア、馬場の真ん中をヒカルオオゾラが、ややゆったり気味に廻った。
ちょうどその間に位置していたアーネストリーが、少し馬体を外へと寄せていったが、それも束の間、並ぶ間もなくヒカルオオゾラが前へと出た。
しかしまだ400メートルのハロン棒の前で、まだ鞍上のゴーサインは出ていなかった。
後ろをついてきていたキャプテンベガが、追い出しにかかると、それに呼応するように、その後ろを追走していたシンゲンの鞍上が、激しくステッキで追い出した。
キャプテンベガをアッと言う間に抜き、前を行くヒカルオオゾラを追撃した。ヒカルオオゾラも、武豊Jが左ステッキを入れてラストスパート。
だが、かなりステッキを入れてグンと加速したシンゲンの伸びが鋭かった。
着実に地面を捕らえた四肢が、もう鞍上の手綱だけでグイグイと伸びてトップスピードに入り、ヒカルオオゾラを捕らえ、そして前へと踊り出た。
ヒカルオオゾラの伸びはスローモーションの様な感じで、シンゲンの回転の速い伸びと違っている、そんな印象であった。
前の2頭から少し離れて、キャプテンベガが3着。
逃げたショウナンラノビアが、内ラチ沿いを粘って4着。
5着には、後方から大外を伸びてきたトウショウウェイヴが突っ込んできていた。
勝ったシンゲンは、これで東京コース6勝目。
今年は3連勝で重賞連勝である。
今日使った脚はメンバー中最速の脚で、34秒2。
ヒカルオオゾラは、ほぼ3コーナーから前々での競馬となったが、ずーっと馬なりでの競馬。
追い出しも我慢されてのものだけに、ちょっと案外な脚の使い方だろう。
シンゲンは最後は2番人気の支持となったが、当初は1番人気の支持を受けていた今回。
やはりここに来ての完成度が買われていたようだし、大勢の眼の肥えたファンが出した答えも相変わらずに鋭いものだった。
恐れいりました。
安田記念といい今回のエプソムCといい、上位人気馬がちゃんと結果を出す競馬。
観ていても、これこそが競馬本来の姿。
『力のある馬がそのとおりに結果を出す』、何て素晴らしいことだろう。
いつもこんな競馬のシーンを見られたらいいなと思った、今日のエプソムCでありました・・。
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